『甲子』
「甲子」の年は古来から「変乱」の多い年とされてきました。
主な変乱としては「黄巾の乱」です。
184年「甲子」の年 中国後漢の末期に起こった漢朝(劉邦が祖)終焉を決定付けた「蒼天已死 黃天當立 歲在甲子 天下大吉」を旗印に中国主に北部に起こった反乱です。
一般には「甲子」の日は「吉日」とされていて、子は鼠を意味し、大黒天の使者である鼠から「甲子の日」に大黒天祭(甲子祭)が営まれます。
1984年 昭和59年の干支が「甲子」(きのえ・ね)でした。
「甲」は十干の始まりで、「子」は十二支の最初です。
六十年周期のスタートを意味します。
「甲」も「子」も新しく芽が伸びはじめる、新しい生命が創造される事を表意します。
「甲」の義
「甲」は中国「殷」の時代の甲骨文字から見ると「亀の甲羅」の紋文を象る象形文字とされています(小林博著 「漢字類編)
そこから固い殻を覆った事の事象となりました。
「春の初め陽気に芽生え動く、木孚甲(ふこう)を頂く象に従う」と「説文解字」に記されています。
「孚甲」とは樹木の芽が破れて新芽を覗かせている状態を表します。
つまりその状態が「甲」だと説明しています。
新芽が出始めるということから「甲」には「はじまる」「はじめる」の意義を持ちます。
「甲」は「はじめ」と訓むことができます。
「易経」の「蠱(こ)」(山風蠱)という卦の説明に「甲に先立つこと三日、甲に遅れること三日」とあります。
これは「甲」は物事をはじめるという事をを意味します。
「何かをはじめる時は、三日前に人々に知らせ、三日後に再度知らせて、周知させる事」という意味です。
「甲」には「新しきの創造」の義を備えています。
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「子」の義
十二支の「子」です。
この十二支の「子」は子供の頭上に髪が生え、伸びてくる形を表しています。
そこで「子」には「滋」(しげる)の字があてられる様になりました。
「説文解時」には「子」を「十一月陽気動き万物滋る、人似て称す」と説明しています。
万物がはびこり生まれる様、人の子も地上に養生する自然界の一つとして「子」という字を使用したと記されています。
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「漢書 律暦志」に「子は孳萌(じぼう)なり」と記し、植物の芽が出始める兆しを表しています。
「子」には「増える」「はびこる」という意味を備えており、動物を十二支に当てはめる時に「鼠」が当てはめられたそうです。
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「三革」
「辛酉に革命をなし、甲子に革令をなす」と易経 緯書に記されています。
「十周参聚し、気神明に生ず、戊午に革運す、辛酉に革命し甲子に革政す」と「詩経」に記されています。
「戊午革運」「辛酉革令」「甲子革政」を持って「三革」と称しています。
「十周」とは一周三百六十年に十倍の三千六百年を意味します。
「十周」すると「革新」の機運が天地に漲るとされ、その戊午の年には運勢を革め、新酉には天命が革まり、甲子には政令を革めるとされています。
「辛酉」の年には大革命が起こるとも説かれています。
中国では古来から「甲子」を政令を新たにする刻とされてきました。
つまり良いも悪いも出して「新たな幕開け」を意味す干支という事です。
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☞「甲子」のポイント
「甲」は「十干」の初めで、「子」も「十二支」の初めです。そして、「甲子」は六十干支の最初の干支です。
「子」は新しい生命力が想像されて芽が伸び始める事を表します。
「甲」は新しい生命力が始まる事を意味します。
「子」が陰陽の交合から生じる状況を、「甲」が生じたものに対する主体的な対応の仕方を表しています。
「甲子」は、基本的な姿勢として、ちょうど草木の芽が古い、固い殻を破って出てくるように、旧来の陋習(ろうしゅう)を打破して改革に取り組むべき事を示しています。
中国の古典の『詩経』には「戊午に革運し、辛酉に革命し、甲子に革政す」とあります。
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「甲子」の時には、新しい王朝や政府が法令を定めたり、新設の会社が社則を作ったりするものとされてきました。
しかし、「子」には、「増える」とか「はびこる」との意味があり、新しい問題が色々と発生してきます。しかも新芽が出たばかりの状態で、まだまだ陽気は弱く運勢も盛んではないので、物事を性急に進めようとすると失敗する事を示しています。物事を始める際には色々な問題が発生しますので、それに便乗して一儲けしようとする人たちも蔓延ります。
「甲子」の時は、慎重な態度で臨み、事に当たる人材の確保に努めるべきだと教えてくれています。
「甲子」の「性格」と「性質」
日干支・月干支・年干支のどこにあっても同じ解釈です。
「性格」
根は寂しがり屋で我儘です。いつも人生に夢やロマンを求めているので、周囲からは明るく見られます。
理知的で、古風なところがあるのがこの宿命に特徴です。わかりやすい性格で、物事を素直に受け止める、人の良さを持っているので、老成した理屈屋さんの雰囲気のわりに、周囲からは好かれるものを持っています。敵を作らないことも大きな特徴の一つです。
「未来」
この生まれの人は、幼少期にどういう環境で過ごしたかで、その後の人生が決まってきます。
もともとこの性格は、理性が土台になっているので、幼い頃に大いに精神的な啓蒙を受けた場合は、大人になってから充実した人生を送る運を得ることができます。しかし、親や兄弟から可愛がられ過保護に育てられると、よき結果は望みにくいです。研究・学問・精神の世界と、対照的に利潤を追求する現実的世界に生きる人との両極端に分かれ、中庸が得られにくいです。極端に豊かだったり貧しかったりの、どちらかの環境に育った方が、良い方向に力を発揮できます。
「甲子日」生まれの宿命
六十花甲子の最初の干支になります。
水の旺地に座す「木性」です。
関西の甲子園球場は「甲子」の年である1924年に完成したことが由来になります。
「子」
日支「子」は性質は「水性」で季節は「冬」「冬至」を表します。
「水性」は特に「学習」「知恵」を意味します。
方角は「北」です。
「冬至」は「陽気が始まる所」を意味します。
- 新しい事を始める事に適する。
- 頭が良い人が多い。
- 子供にも恵まれやすい。(子供を生み出す力があります)
「甲子」
甲⇨樹木
子⇨水・冬(水の旺地)
癸(二十八元)「子」の中には「癸水(水性)」のみ入っています。
「水浸しの所に生える樹木」
この状態のまま(日干支単体)では根腐れしてします可能性がある日干支です。
土星がありがたい
この日干支の他に宿命・後天運に燥土・暖かい土性が必要な日干支です。
宿命に培養の土を必要します。
- 土性がある事で、土の中に根をはることができます。
- 土剋水で水を剋して抑えることができます。
- 未土を持って根基の土となる。
◎未土(夏の土)二十八元(蔵干)に「丁火」(火性)を備えている。(子 -未の害)(裏鬼門)
○戌土(秋の土)蔵干に「丁火」あり。「生月冲殺」or「生年冲殺」
△辰土(春の土)子-辰の半会で虚気が「水性」に変化する。(水庫)(鬼門)
△丑土(冬の土)子-丑の支合で虚気が「水性」に変化する。
例1)
甲
子 ○ 丑
(子丑の支合)⇨水性変化(虚気)
甲
子 辰 ○
(子辰の半会)⇨水性変化(虚気)
甲 甲
子 戌 ○ 子 ○ 戌
(生月冲殺) (生年冲殺)
【戌亥天冲殺】
甲
子 ○ 未
(子未の害)⇨骨・腎に禍が出やすい。
「庚」「午」はありがたくない。
例)
甲 ○ 庚 ⇨「庚金」は日干「甲木」を剋し、「七殺」になり「車騎星(偏夫/仕事)」です⇨社会全般での前進力が弱くなります。
子 午 ○ ⇨子午の対冲で、日支「子」は「配偶者」位置が冲することを意味します。
↑
波乱の多い人生となりやすい命式と言えます。
大運
年運
庚 甲 ○ ○
午 子 ○ ○⇨子午の対冲。
↑
後天運で「庚午」が巡って来た大運・年運も波乱が起きやすいです。
女命は色情による苦労をしやすい
- 女性:男性の問題を起こしやすい命式です。
(彼氏が出来て夫婦仲が壊れやすい or 夫婦仲が壊れて彼氏が出来やすい)
- 男性:仕事の問題を起こしやすい命式です。
初代運
「甲子」は六十花甲子の第一番目です。
「初代運」として大成しやすいとされています。
- 自分の代で新しい事を始める事に向く日干支です。
- 世の中において新しい事を始める生き方が向いています。
⇨「企業家」向きです。
例)
日干支が「甲子」の企業家
「楽天」三木谷社長
大運
○ 甲 ○ ○
子 子 ○ ○⇨大運・年運・命式内に「子水」に出会うと「商人」の宿命となります。
☞「天恍星」からのメッセージ
- 自立
- 思い切った問題の剪定(整理)
- 現状からの脱皮・脱却のためのエネルギー
- 新しい新天地・新境地開拓の準備
- 目上の人への礼節
「甲」のポイント
- 「今までの既存勢力・旧体制に限界が来て、破れ革新・改革の動きが始まる」
- 「自然の機運に応じ過去の慣例・慣習・考え方・因習を破り革新に一歩を進む時」
- 「旧来の因習、陋習に慣れすぎ、なし崩しやルーズにすることに注意する」
「子」のポイント
子は、新芽が伸び始めるように、新鮮な、生命力・活力・未来・可能性に溢れています。それだけに諸問題が発生して、それに便乗する「一発屋」「ずるい輩」「弱みに巧みに付け入る輩」が「はびこり」巧みに近寄ってきます。自分の心が不安定である時こそ、心すべき事は「自分軸・自分の最高の価値基準」に従いそれらの輩を寄せつかない事です。
www.future-redesign.com
本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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