割れてもいないコップを直そうとしない。
選手や後輩、部下を指導していると、
どうしても欠点や、悪い所を直す、という視点で見てしまいます。
もちろん明らかに悪い所は正さねばなりませんが、
常に、「問題」を「悪い所があるからだ」と捉え「だから直さねばならない」という考え方では、
ずっと原因を追求するだけで、解決に至らない事があります。
本当はその問題=コップは割れていないのかもしれないのです。
悪くない部分はどこか?
例えば朝練に遅刻する選手がいたとします。
悪い所を直すという考え方では、なぜ出来なかったか? から始まります。
「出来ない」のは「自覚が足りない」(という悪い所がある)からだ!
↓
「自覚が足りない」から、チームの目指す所やチームワークを叩き込み、1日の予定表を出させ、遅刻したら罰則を与える・・・。
このようにどんどん問題は複雑になっています。
悪い所にフォーカスすると、別の問題を掘り返す悪循環に陥り、一向に朝練に辿り着きません。
そもそも自覚や人間性に大問題がある選手であれば、朝練以前の問題です。
ここを切り分けて考えなければいけません。
要は出来ない原因を探す=悪い部分を探して直す、のではなく
「どうすれば」朝練に来れるか?と問題を捉えること。
その為には悪い所はない、という所からスタートします。
すると、
・何か理由があるのでは。
・どこまでは出来たのだろう。
・どういう条件だったら出来たんだろう。と考える事ができます。
そうすれば
・持っている能力やスキルをどう活かすか?
・どんなきっかけを作れば良いか?
・出来る条件は何か?。
といった解決志向で問題に取り組めます。
管理と罰則だけが解決ではない
この選手のケースでは、遅刻したら罰則だ!とか、予定表を記録して提出させる!といったやり方になりがちです。
まさしくやる気が足りない、自己管理能力が足りないのだと、
「割れた部分を探して直す」捉え方です。
結論を言えば、こんな管理と罰則を課すことなく、選手は朝練に来られるようになりました。
解決策は、近所のチームメイトが朝迎えに行くようにしただけです。
(もちろんそのチームメイトに迷惑が掛からない事を確認した上でです)
これを「甘い」「自覚が足りない」と捉え、責める事は簡単。
しかし時間やルールを守らない奴だ、と厳しく指摘し指導する事は、
選手自身に「自分はダメな奴なんだ」とセルフイメージを下げさせる事もあります。
目の前にある可能性にフォーカスを
そんな事をしなくても朝練に遅刻する、という問題は解決され、
そのうちチームメイトが迎えに来なくても大丈夫になり、
この選手は全国大会に出場するまでになりました。
この選手の悪い所ではなく全体で考えた時、
チームメイトが迎えに来てくれる、ということが
スタートとしては良かったのでしょう。
こんな話をすると、理想と現実は違う、甘くすると付け上がるではないか。
と指摘を受ける事もありますが、
指導とは、悪い所を探して厳しく指摘し叩き直すだけではない。
という事です。
実際に目の前にある“できること”に目を向けた時
=このコップは割れていない、とコーチが捉える事ができた時、
新しい道筋と可能性が生まれてきます。
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