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「十干」の成立

五行論に陰陽論を導入することによって十干が成立します。宇宙にある五行の気は、それぞれが陰陽の気を備えています。したがって合計で十種類の気となります。天を陽、地を陰とするため、天の五星は陽五星であり、地の五性は陰五性であります。天の五星は、陽木星・陽火星・陽土星・陽金星・陽水星であり、地上の五性は、陰木星・陰火星・陰土星・陰金星・陰水性であります。



「天の五行」と「地の五行」

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天の五星は、天体の五惑星から切り離して、宇宙空間にある天上の五行の気、天の五性とし、地上にある五行の気と相対するものとしました。宇宙空間には天上と地上とで十種類の気が存在することになり、天上の五行の気を陽、地上の五行の気を陰として、それが「十干」の始まりとなりました。天の五行と地の五行に、それぞれ簡略府号をつけました。天の五行、木・火・土・金・水をそれぞれ甲(こう)・丙(へい)・戊(ぼ)・庚(こう)・壬(じん)とし、地の五行、木・火・土・金・水をそれぞれ、乙(おつ)・丁(てい)・己(き)・辛(しん)・癸(き)としました。これらを総称して「十干(じっかん)」と言います。十干にうち、甲・丙・戊・庚・壬を陽干、乙・丁・己・辛・癸を陰干と言います。それらをまとめて呼ぶときは、五陽、五陰と言います。



「十干」の呼び方

十干は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸です。他の呼び名として、天を兄(え)とし、地を弟(と)として、甲は木性の兄「きのえ」、乙を木性の弟「きのと」と呼び、以丙を「ひのえ」、丁を「ひのと」、戊を「つちのえ」、己を「つちのと」、庚を「かのえ」、辛を「かのと」、壬を「みずのえ」、癸を「みずのと」とも呼びます。しかし、算命学ではこれら十干に五行の性質を加えて呼びます。甲は甲木(こうぼく)、乙は乙木(おつぼく)、丙は丙火(へいか)、丁は丁火(ていか)、戊は戊土(ぼど)、己は己土(きど)、庚は庚金(こうきん)、辛は辛金(しんきん)、壬は壬水(じんすい)、癸は癸水(きすい)で表します。



「十干」と「その意味」

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天の五行と地の五行に符号をつけ、更に、陰陽論を導入することによって天と地の概念を陽と陰の概念に置き換えてることが可能となり、その意味汎用的なものとなりました。例えば、木星を陽的なものを甲木、陰的なものを乙木とすることが出来るようになりました。木星を樹木や草花などに分けて考える時に、樹木を陽、草花を陰とすると、樹木が甲木で、草花が乙木となります。さらに一本の樹木や草花などに分けて考える時に、樹木を陽、草花を陰とすると、樹木が甲木で、草花が乙木となりましう。さらに一本の樹木だけを考えれば幹は陽、枝葉は陰であるから幹は甲木で、枝葉は乙木であります。このように十干が持つ意味は、便利になると同時に、広汎な応用ができるようになりました。そのために、陽と陰の視点を間違えたり、正しく判別できないと間違えた判断をすることになります。他の五行も、木星の場合と同じように考え、陽的なものには陽干、陰的なものには陰干を当てはめて、火性では丙は太陽で、丁は灯火、証明の灯などであり、土星では戊土は山岳で、己は己土で田園であり、金星では庚金は刃、剣、鉱石等で、辛金は宝石、貴金属などでありう、水性では壬水は海、大河、湖などで、癸水は雨、川、雪などとします。これは十干を理解しやすくするために物に例えて表したものであります。また、十干は形あるものばかりではなく、無形のものに当てはめて考えることができます。
 


「十干」とは

「五行説」でもふれましたが、五行の成立は空間分類であります。よって五行論と陰陽論の合体で生まれた「十干」空間分類であります。十干の理解を容易にするために、地上の諸現象を分類して、十干に当てはめているのです。十干は、五行論と陰陽論が合体したものでありますから、その現象は、陽・陰・陽・陰と、陽と陰が交互になります。そのため十干は、同一性質を持つものが対となり陽と陰が交互に並ぶので、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸と並ぶことになります。



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